アソビューの地域活性 vol.2 ~あまみ大島観光物産連盟様~

ケース・スタディ

観光商品販売システム・エリアゲートの導入で、
地域とともに稼げるDMOへ

アソビューでは、様々な地域とともに体験とITを活用した観光振興に取り組んでいます。これまで関わったエリアは150以上!地方創生の高まりを受け、ますます注目される、観光による地域活性。今回は、「あまみ大島観光物産連盟様」の事例をご紹介します。

<事業の背景>
地域の“稼ぐ力”を引き出す。観光地経営を担う「DMO」

DMOって、聞いたことがありませんか?現在、日本の最重要課題として叫ばれる「地方創生」。地域の活力を維持し、人口減少を最小限に留めることを目的としたこの取り組みにおいて、交流人口を増やし地域の財源を確保する「観光」の振興は重要な要素と言われています。しかし、観光客がただ地域にきてくれるだけでは意味がありません。地域を訪れた人に、その土地のものを食べ、購入し、滞在してもらってこそ消費が生まれ、地域の収入が増えていきます。そんな地域の“稼ぐ力”を引き出す取り組みを担うのが「DMO(Destination Marketing/Management Organization)」です。
DMOはもともと、海外で生まれた観光振興組織です。従来の日本における観光振興組織とDMOが異なるのは、各種データの収集・分析、KPIの設定、PDCAサイクルの導入など、“観光地を経営する”科学的なアプローチを導入していること。定量・定性的な様々なデータを解析し、適切な観光振興戦略を立てることで、DMOは地域の“稼ぐ力”を引き出していくのです。
2015年、訪日外国人観光客数が2,000万人を突破したことを受け、日本は2020年の目標値を4,000万人と発表しました。その推進力として、観光庁から発表された「日本版DMO」候補法人登録制度の創設。観光による地方創生の実現に向けて、いま全国でDMOの組成が進んでいます。日本の観光振興に、「地域の経営」という新しい視点が生まれたのです。

奄美の美しい海
さとうきび畑
ハイビスカス
ふるさと祭り
油井豊年祭

<地域の課題>自主財源を確保する、稼ぐ場・仕組みの構築

そんな日本版DMO候補法人に登録しようと考えた組織の一つが、あまみ大島観光物産連盟様でした。日本版DMO候補法人の登録要件には、多様な関係者による合意形成・戦略に基づくプロモーション・専従人材を含む組織構成・運営資金の確保、そして科学的なアプローチによる経営戦略の策定があります。しかし、予算や人的資源が限られる中、地域がDMO登録要件に必要な各種データ収集や分析などを自前で行うのは容易ではありません。
「そこで私たちが導入したのが、観光商品の販売システム・エリアゲート(注1)です。もともと奄美大島の観光公式サイトはありましたが、情報提供でとどまっており、予約・購買の導線がありませんでした。ここをマネタイズしていくことで、地域とDMOの自主財源を確保し、さらに定量的なデータを収集できないかと考えました」(あまみ大島観光物産連盟 長瀬氏)

JTBとアソビューが共同で開発した観光商品販売システム・エリアゲートは、自治体やDMOの公式サイトを通して、地域コンテンツの管理・販売を実現するクラウドシステムです。本来、公式サイトで物産・体験・宿などの予約・購買を行うには、商品の仕入れ・在庫管理・流通システムの構築など多くの労力が必要でしたが、エリアゲートでは地域の各事業者が契約するJTBやるるぶトラベルの「宿泊予約」、アソビューの「体験」販売システムなど既存の販路を活用することが可能です。少ない工数で、地域の観光商品の販売データ、そして手数料収入を得ることができ、効率的な自主財源の確保とデータ収集が可能になります。
「サイトを訪れたユーザーも、予約導線があるほうが便利ですよね。地域・DMOそしてユーザー、三方にとってプラスになる。それも、導入を決めたポイントでした」

(注1)エリアゲートの詳細はこちら:https://www.asoview.co.jp/news/1228/

のんびり奄美 体験一覧
のんびり奄美 体験一覧ページ(※画像クリックでページに遷移します)
のんびり奄美 宿泊一覧
のんびり奄美 宿泊一覧ページ(※画像クリックでページに遷移します)

<成果>“稼げる場”の構築で、地域も変わる

今回の施策では、エリアゲートの導入とともに公式サイトもリニューアル。「のんびり奄美」として、奄美大島の豊かな自然・文化、それを体感できる体験、そして食・特産品・宿泊施設まで、観光に関する総合的な情報を多数掲載しています。この情報の充実には、エリアゲートの導入に伴う、「ウェブメンバー制度」の設立があります。
「私たちのDMOでは、会員以外の事業者に対し、年間1万2000円でのんびり奄美に掲載できるウェブメンバー制度を設けています。これはDMOの重要な自主財源の一つです。予約・購買の導線を繋ぎ、コンバージョンが期待できるエリアゲートだからこそ、地域の事業者も参画に積極的です」

様々な立場の観光事業者様と連携し、一体感を持って観光振興に取り組むことは、どのDMOでも共通の課題の一つといえます。あまみ大島観光物産連盟様でも、公式サイトのリニューアルに際し、地域の事業者様が自分たちのものとして、このサイトを活用して頂けるかという課題がありました。エリアゲートの導入、事業者様の収益に直結する予約導線を設け、公式サイトを“稼げる場”とすることで、参画のハードルを下げ、地域の連携を促す効果をもたらしました。
「島内事業者向けに実施した、公式サイトリニューアルに関する説明会では、アソビューに「観光とウェブをどう結び付けるか」というテーマのセミナーを行ってもらいました。これにより、新しくオンライン対応を始めた事業者もいます。DMO自体が地域に浸透するきっかけにもなりました」
現在、あまみ大島観光物産連盟様が営業した事業者様の90%以上が、ウェブメンバー制度に参画。公式サイトが“稼げる場”となることで、地域の誘客意欲が高まりつつあります。

当社野々松と連盟の長瀬氏があまみエフエムに出演しセミナーの告知を行いました
柳田も参加。表情も硬く、緊張している模様・・・
セミナー会場の様子
WEB広告の効果と価値というテーマで当社野々松がセミナー講師を担当しました

<これから>
地域の一人一人が主役になる。
奄美大島の本来の魅力をたくさんの人へ

「DMOとして目指すのは、地域一体のワンストップ窓口となり、来訪者の受け入れと満足度向上を図ること。そのために、引き続き財源確保と体制整備に力を入れていきます」
これからは、着地型観光をベースに奄美大島の本来の姿を観光に結び付け、住民一人一人が主役となって地域活性化を図っていきたいとのこと。
まだまだ走り出したばかりの日本版DMO。JTBとアソビューはこれからも、DMO、そして地域の課題を解決するソリューションを提供していきます。

・のんびり奄美:(https://www.amami-tourism.org/

プロジェクトメンバー

野々松 秀和
野々松 秀和
あまみ大島観光物産連盟 長瀬悠氏
あまみ大島観光物産連盟 長瀬悠氏